ウインドトリップ・ネット 青春18きっぷの活用法 非オタケ系汽車旅研究所 街からのアクセス時刻表 旅風里美の旅スタイル ともひろとみくの旅スタイル
ゆったり気まぐれ旅アクセス Freetrip on the Railway
Tomotrip06

Vol.4 ともひろの山陰の旅

(1日目)
始発快速で西へ。山陰の海を眺めながら益田へ

 朝は早い。青春18きっぷで山陰へ向かうなら、やっぱり始発の快速から。

 阪神間の駅から乗り込んで、まずは姫路へ向かう。この時間の快速は、18きっぱーにはおなじみの存在や。姫路で新見行きの列車に乗り換える。岡山で乗り換える必要はない。そのまま新見まで行けるから、こういうところも青春18きっぷの旅ではありがたい。車窓を眺めながら、のんびり西へ。

 新見からさらに乗り継いで、米子へ。ここまで来ると、もう山陰の空気になってくる。米子では少し時間があれば、駅の周辺で買い物をしておこうかな。旅先で必要なものを買ったり、飲み物や食べるものを探したり。こういう何気ない時間も、旅の一部やと思う。そして、再び列車に乗って出雲市へ。ここから先は山陰本線を西へ進んでいく。

 出雲市から同じ列車になったさとみと一緒に、山陰の海を眺めながら浜田方面へ向かう。窓の外には、海岸線や山陰らしい町並みが流れていく。「こうやって列車から見る景色もええな」そんな話をしながら旅を続けていると、さとみが言う。「街の空気感を感じるのも、ええと思うで。」鉄道で移動することばかり考えていたけど、確かにそういう旅もありかもしれない。

街の空気感

 今回は時間をかけて街を歩く予定はなかったけど、明日は少しゆっくり散策してみようかな。そんなことを考えているうちに、列車は浜田へ。さとみはここで降りて、浜田の街を歩いてみるらしい。

 おれはそのまま列車に乗り続ける。まだ先へ行ける。せっかくここまで来たんやから、行けるところまで行ってみよう。列車はさらに西へ進み、終点の益田に到着。駅を出て、まずは街を歩いてみる。かつて商店街だったと思われる通りを抜け、線路の下をくぐる。その先にあるホテルへ向かい、チェックイン。

 荷物を置いて少し休んだら、今度はさらに奥へ歩いていく。目的地はイオン。明日の朝飯を買っておく。旅先では、こういうところで翌日の食料を確保しておくのも大事や。買い物を終えてホテルへ戻り、荷物を置いたら、今度は夕食へ。

 朝早くからずっと列車を乗り継いできた一日。さすがに疲れたけど、かなり遠くまで来た。明日は朝から萩へ向かう。今日は移動が中心やったけど、明日は少し街を歩いてみよう。さとみに言われた「街の空気感」というものが、どんなものなのか。それもちょっと楽しみになってきた。

Tomotrip07

(2日目)
朝の萩へ。今日は街の空気を感じてみる

 朝は早い。益田から東萩へ向かう列車に乗り込む。昨日買っておいた朝飯を持ってきたので、車内で朝食。朝早い時間の列車は空いていて、ゆっくり食べられる。窓の外には、まだ朝の山陰の風景が広がっている。列車は日本海沿いを走りながら、東へ向かっていく。東萩に到着。。

 ここから先の列車を調べると、次の列車は1時間ほど後にある。そのまま長門市方面へ向かうこともできる。けど、今日は急がない。昨日、さとみに言われた。「街の空気感を感じるのも、ええと思うで。」せっかく萩まで来たんやから、ちょっと歩いてみよう。

 駅から街へ出る。城下町らしい落ち着いた町並みが続いていて、普段の駅から駅へ乗り継ぐ旅とは少し違う。白壁の町並みや古い建物を眺めながら歩いていると、時間がゆっくり流れているように感じる。鉄道の旅では、どうしても「次の列車に間に合うか」を考えてしまう。

 でも今日は、戻る列車まで余裕がある。気になる道があれば入ってみる。町を歩いて、景色を眺めて、また先へ向かう。こういう旅も悪くない。昼前まで萩の街を歩いて、気がついたらかなり遠くに来てしまった。もう少し歩けば萩駅に着く。昼過ぎには萩駅に到着。ここはちょっと不思議な感じもする。東萩と萩。普通は街の駅名が入口やのに、萩は東萩駅が入口。萩駅は南の外れにある。駅舎は歴史を感じさせるモダンな造り。東萩とは違った空気感。

 駅そのものを目的にするというより、列車に乗って移動しているからこそ出会える場所として眺めていく。そして再び列車へ。ここからは山陰本線をひたすら東へ進む。

 益田を出て、萩を歩いて、東へ山陰を戻っていく。昨日は「行けるところまで行く」旅だった。今日は少しだけ、街に降りて歩いてみた。さとみが言っていた「街の空気感」というのも、なんとなくわかってきた気がする。列車だけじゃなく、駅を降りて歩いてみる。そうすると、同じ山陰の旅でも見えるものが少し変わってくる。

 夕方から夜にかけて、列車はさらに東へ。今日の宿泊地は松江。まだまだ先は長い。窓の外が暗くなっていく中、列車に揺られながら松江を目指す。

 明日は、いよいよ木次線。山陰本線とはまた違った景色が待っている。今日は街歩き。明日は山の中。そんな旅の変化も、なかなか面白い。

Tomotrip08

(3日目)
奥出雲を抜けて、山陽へ。最後は鈍行で帰る

 朝は早い。松江を出て、宍道へ向かう。

 今日はここから木次線に乗る。山陰を旅するなら、せっかくやから奥まで行ってみたい。早い列車に乗れば、出雲横田方面まで進むことができる。

 列車が宍道を出ると、だんだん景色が変わってくる。街の風景から、田んぼや山が増えていく。南宍道、下久野。駅を過ぎるたびに、人の気配が少なくなっていく。こういう景色、好きやな。観光地に行くというより、列車に乗ったまま、その土地の中を漂っている感じ。

 やがて亀嵩。ここでは時間がある。駅構内の蕎麦屋で、そばを食べることにした。亀嵩駅の蕎麦屋は、駅長が駅舎内に蕎麦屋を開いたのが始まり。今も駅の中に蕎麦屋がある。旅の途中で予約しておいて、駅でそばを受け取る人も多いらしい。山こういう駅でそばを食べるのも、旅の楽しみやな。食べ終わっても、次の備後落合行きまではまだ時間がある。急ぐ必要もない。こういう時間も含めて、旅なんやと思う。

 再び列車に乗る。ここから先は、木次線の中でもさらに山深いところへ入っていく。出雲横田を過ぎ、さらに南へ。出雲坂根。ここでは時間があれば、延命水を汲みに行ってみたい。秘境風景をスイッチバックで列車が進んでいく。標高差があるから、木次線は3段式スイッチバックで山を登っていく。列車が向きを変えるたびに、さっきまで走っていた線路が下の方に見えてくる。深い谷。その谷間には、高速道路のような大きな橋脚が見える。「おろちループ橋」や。鉄道と道路が、それぞれ違う方法でこの山を越えている。谷の深い風景を抜けると、今度は高原の景色が広がってくる。

 三井野原。ここにはスキー場もある。小さなスキー場やけど、こういう山の中にスキー場があるのも面白い。冬になれば、また違った景色になるんやろうな。さっきまでの深い谷が嘘みたいに、空が広い。駅を出ると、また山風景。次の駅までの間にも、ほとんど人の姿が見えない。こういう景色を眺めながら、ただ列車に揺られている。それだけで十分楽しい。やがて備後落合。ここで乗り換える。

 木次線から芸備線へ。今度は新見方面へ向かって、さらに東へ進んでいく。東城あたりまで来ると、少しずつ風景が変わってくる。深い山の景色から、田んぼや集落が見える、いつもの田舎の風景へ。そして新見。ここまで来ると、空気がまた変わった気がする。山陰から山陽へ。旅の景色が、少しずつ日常へ戻っていく。

 新見から岡山へ。岡山で乗り換えて、姫路へ。1日目は姫路から西へ向かった。今日は逆に、姫路へ戻ってくる。そこからさらに阪神間へ。

 朝は松江にいたのに、一日かけて奥出雲の山を越えて、山陽まで戻ってきた。今回の旅は、いろんな街を観光したわけじゃない。でも、列車に乗っているだけで、海から山へ、山から田舎へ、そして山陽の街へと、景色がどんどん変わっていった。これがおれの旅なんやと思う。行けるところまで行ってみる。その先に何があるかは、行ってみないとわからない。そして、また次の旅へ。今度はどこまで行こうかな。

ともひろのひとこと
 今回は、いつものように行けるところまで行って、山陰を端から端まで走ってみた。萩では少しゆっくり街を歩いて、さとみが言ってた「街の空気感」っていうのも、なんとなくわかった気がする。でも、やっぱりおれは列車に乗って、知らない景色の中を進んでいくのが好きやな。海を眺めて、山に入り、木次線を抜けて山陽へ戻る。同じ山陰を旅しても、見ているものは人それぞれ。次はみんなで旅を考えるのも、ちょっと面白そうやな。

Vol.3 九州一周の旅< >Vol.5 ともひろの北陸の旅


Navigated Tomohiro Takamine Created by 創作工房Factory8